「デジタル人民元」の脅威
中国経済支配圏「大拡張」の切り札
2020年1月号
「デジタル人民元」という奇妙な言葉が世界の金融関係者を動揺させている。金融のデジタライゼーションは地球規模で加速しているが、一国の通貨そのものをデジタル化するとはどういうことなのか? 紙幣も硬貨もない完全なキャッシュレスを実現し、中央銀行がスマホアプリで決済手段を直接運営する究極の管理社会。
さらにデジタル人民元を「一帯一路」の沿線国家に採用させれば、人民元による通貨統合まで実現しかねない。国家主権をも揺さぶる独裁国家、中国ゆえの構想といえる。
一帯一路の国々で通貨主権「放棄」も
この四~五年、北京や深圳はもちろん、田舎町に行っても中国で日本人が経験するのは、店や飲食店で百元札など現金を出した時の会計係の不満気な表情だ。お札を透かして本物か確認するのはともかく、お釣りを出すのに手間取る。特に「一角」など細かな硬貨がかかわると「小銭がない」からといって多めにお釣りをくれたり、レジ横の飴やガムを釣り銭代わりに寄越すこともある。
支付宝(アリペイ)、微信支付(ウィーチャットペイ)のスマート・・・
さらにデジタル人民元を「一帯一路」の沿線国家に採用させれば、人民元による通貨統合まで実現しかねない。国家主権をも揺さぶる独裁国家、中国ゆえの構想といえる。
一帯一路の国々で通貨主権「放棄」も
この四~五年、北京や深圳はもちろん、田舎町に行っても中国で日本人が経験するのは、店や飲食店で百元札など現金を出した時の会計係の不満気な表情だ。お札を透かして本物か確認するのはともかく、お釣りを出すのに手間取る。特に「一角」など細かな硬貨がかかわると「小銭がない」からといって多めにお釣りをくれたり、レジ横の飴やガムを釣り銭代わりに寄越すこともある。
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