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経済

ゴールドマン・サックス 日本法人を覆う暗雲

持田「超長期政権」が招いた停滞

2020年1月号

 よくも悪しくも、資本市場において、米国金融大手、ゴールドマン・サックス(GS)は絶大な存在である。米ウォールストリートで「ホワイト・シュー」(ピカピカに磨かれた高価な靴)と呼ばれる辣腕投資銀行マンたちを輩出し続けたのが他ならぬGSだ。しかし、今、本拠地の米国のみならず、日本でも、この輝きが急速に色あせ始めている。キーワードは「銀行」と「超長期政権」だ。
 GSを巡って、近年、世界の資本市場関係者を最も驚かせたのは、銀行事業への進出だったにちがいない。銀行子会社GSバンクを設立し、Marcusブランドで個人及び中小企業向けの無担保ローン事業などを展開している。アップルと手を結んでクレジットカード事業も始めた。
 GSは二〇〇八年に発生したリーマンショックのさなか、経営が急速に悪化した。自身のビジネス拡大がリーマンショックの下地を作ったのであり、まさに自業自得といえる。その結果、金融システム危機の再燃を危惧する政府の方針の下で、銀行持ち株会社形態に移行せざるを得なくなった経緯がある。だが、この一件と、銀行事業への進出・苦戦とは、まったく次元が異なる。銀行持ち株会社への・・・