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政治

「ポスト安倍」は 岸田なのか

「混戦模様」総裁レースの見所

2020年1月号

「私の次は岸田文雄政調会長と考えています」。十一月下旬、首相公邸に密かに麻生太郎副総理兼財務相を招き入れた安倍晋三首相はこう明言した。麻生も安倍が後継を岸田と見定めているのは承知していたが、初めて聞く直截的な物言いに一瞬言葉を失った。それでも「いいんじゃないですか」と相槌を打った。
 麻生にとっても岸田に異論はない。二〇一九年十二月発売の『文藝春秋』のインタビューで憲法改正実現に安倍の自民党総裁四選を目指す必要性を訴えると同時に、ポスト安倍の候補に岸田、加藤勝信厚生労働相、河野太郎防衛相の三人を示したが、筆頭に岸田を挙げ「選挙も強いし、池田勇人さんが創設した宏池会(岸田派)の領袖らしく、思想信条もチャラチャラしていない」と評価してみせた。
 安倍が自民党総裁四選を「考えていない」と公言している以上、安倍の岸田後継宣言は、いよいよポスト安倍を巡る争いの幕が切って落とされることを意味する。
「安倍・麻生・岸田」連合の動きにいらだちを募らせる筆頭が菅義偉官房長官だ。菅の岸田への評価は麻生とは打って変わり「選挙に勝てない」「官僚任せの政策で改革ができない」と手厳し・・・