「野党再興」の鍵握る保守政治家二人
中村喜四郎と小沢一郎の「異床同夢」
2020年1月号
浮き沈みを繰り返しながらも半世紀、永田町で暗躍してきた男と、四十年を超える政治生活の大半を沈黙の中で過ごしてきた男が、野党再編で存在感を高めている。民主党や自由党の代表を務めた小沢一郎と、将来を嘱望されながら二十六年前のゼネコン汚職事件以来、雌伏を余儀なくされてきた中村喜四郎である。生き様も再編の方法論も全く異なる二人の同床異夢ならぬ「異床同夢」が、凪続きだった政局を揺さぶり始めている。
連合・神津の憂い
旧民主党勢力を再結集する動きが水面下で激しくなっていた二〇一九年十一月、連合会長の神津里季生は晴れない表情で「本当に小沢さんが主導権を握るのか。中村さんの話の方が腑に落ちるのに……」とぼやいた。小沢と中村が野党再編のキーマンだと看破したうえで、二人に路線対立があり、小沢が優位であることを憂慮したのだ。
九月に衆参両議院で統一会派を組んだ立憲民主党と国民民主党の合流は、次の総選挙を考えれば自然の流れにも見えた。だが、神津は懐疑的だった。
例えば、原子力発・・・
連合・神津の憂い
旧民主党勢力を再結集する動きが水面下で激しくなっていた二〇一九年十一月、連合会長の神津里季生は晴れない表情で「本当に小沢さんが主導権を握るのか。中村さんの話の方が腑に落ちるのに……」とぼやいた。小沢と中村が野党再編のキーマンだと看破したうえで、二人に路線対立があり、小沢が優位であることを憂慮したのだ。
九月に衆参両議院で統一会派を組んだ立憲民主党と国民民主党の合流は、次の総選挙を考えれば自然の流れにも見えた。だが、神津は懐疑的だった。
例えば、原子力発・・・