ネット大手ヤフーの親会社である「Ｚホールディングス」と、ＳＮＳ大手「ＬＩＮＥ」が十一月十八日、経営統合を目指すことを正式に表明した。時価総額三兆円を超えるＩＴ企業が誕生するわけだが、その舵取りを任されたのが、四十五歳の川邊健太郎社長である。
「ヤフーの中核を担ってきたスタッフである一方、経営者としての手腕については不安視される」
　経済誌記者は川邊氏についてこう評する。同氏は青山学院大学在学中にウェブ受託会社を立ち上げた。その後、同業他社と合併した後にヤフーに吸収されることとなり、二〇〇〇年に同社に入社した。
　この間、動画配信サービスの責任者などを歴任してきた川邊氏の最大の業績といわれるのが、Ｙａｈｏｏニュースだ。ネット黎明期で右も左もわからない新聞社の幹部を「うちに記事を掲載すれば儲かる」と籠絡して、読売新聞や産経新聞、時事通信などとの協力関係を築いた。今や、ヤフーがニュースポータルとしては絶大なる存在感を持ち、各メディアの生殺与奪権を握るまでになったが、その立役者が川邊氏なのだ。
　ヤフーの花形ともいうべきメディア畑を歩んで、ソフトバンク・・・