ジリ貧「東京ガス」の無能経営
打開策は「値上げ」のみの惨状
2019年12月号
東京ガスの株価が、安値水準を彷徨っている。東ガス株は今年の四月に入ってからずるずると下がり続け、六月下旬には年初来安値まで下落。十一月も上昇基調は見られず、現在は二月の年初来高値から二割も安くなった。市場は、行き詰まりを見せる東ガスの販売戦略を嫌気し、成長戦略にも疑念を抱き始めている。
実際、東ガスの販売戦略は岐路に立っている。目算が狂ったのは、ガス販売だ。東ガスは国内都市ガス会社で唯一、一千万件を超える顧客数を誇っていたが、二〇一七年六月の一千三十一万件をピークに顧客の脱落が始まり、一八年十二月にはついに一千万件の大台を割った。その後も脱落ペースは加速し、今年九月には九百四十万件まで落ち込んでいる。理由は言うまでもなく、ガス小売り全面自由化だ。
儲からない電力事業
首都圏のガス市場には、東京電力ホールディングスの販売子会社である東京電力エナジーパートナーや、同社と提携関係にあるLPG最大手の日本瓦斯、東急と東北電力の共同出資会社である東急パワーサプライが相次ぎ参入。いずれも東ガスより割安な料・・・
実際、東ガスの販売戦略は岐路に立っている。目算が狂ったのは、ガス販売だ。東ガスは国内都市ガス会社で唯一、一千万件を超える顧客数を誇っていたが、二〇一七年六月の一千三十一万件をピークに顧客の脱落が始まり、一八年十二月にはついに一千万件の大台を割った。その後も脱落ペースは加速し、今年九月には九百四十万件まで落ち込んでいる。理由は言うまでもなく、ガス小売り全面自由化だ。
儲からない電力事業
首都圏のガス市場には、東京電力ホールディングスの販売子会社である東京電力エナジーパートナーや、同社と提携関係にあるLPG最大手の日本瓦斯、東急と東北電力の共同出資会社である東急パワーサプライが相次ぎ参入。いずれも東ガスより割安な料・・・