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政治

二階と世耕「幹事長対立」の泥沼

「和歌山戦争」が解散時期にも影響

2019年12月号

 表向きは息の合った様子でも、裏では足を引っ張り合う。永田町では見慣れた光景も、当事者が同じ県を地盤とする「幹事長」同士となると、穏やかではない。衆議院和歌山三区の自由民主党幹事長・二階俊博と、参議院和歌山選挙区の世耕弘成・参議院自由民主党幹事長のことだ。以前は二階が圧倒していた二人の力関係は、二階が絶頂期を超え、世耕が権力基盤を強めるにつれ、「冷戦」の様相を呈し始め、総理大臣・安倍晋三の次の総選挙に関する判断にも影響しそうな気配が漂っている。
 十一月十九日の自民党役員連絡会で、二階は台風被害の復興を念頭に「今年度の補正予算は十兆円」とぶち上げた。世耕も同日の記者会見で、同調した。霞が関や同党内には「十兆円はやり過ぎ」との懸念も漏れるが、両幹事長の発言で流れはできつつある。
 安倍が悲願とする憲法改正でも、両幹事長は足並みをそろえる。
 自民党総裁としての任期切れが近づく安倍にとっては、今後一年が正念場だ。その焦りを忖度するかのように、二階は参議院選挙直後の八月、地元・和歌山で十月十八日に「憲法を考える県民集会」を開くことを早々と決めた。集会には約一千六・・・