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WORLD

「ソフトバンク投資」に世界が冷視線

出資先が各国でトラブル続発

2019年12月号

 ソフトバンクグループが世界中で展開する「ハイテク企業投資」が、各国で社会問題を生み出している。
 ITのスタートアップ企業と銘打ちながら、実際には宅配や配車サービスなどを末端の低賃金労働に頼るものが多く、競争相手を倒すため、原価割れの低価格競争に走っている。アジアや中南米では、契約企業や労働者が、投資先と摩擦を起こす事件が急増中だ。
 十一月に発表されたソフトバンクの「二〇一九年七~九月期連結決算(国際会計基準)」は、最終損益が「七千一億円の赤字(大損)」となり、不名誉にも新聞各紙の大見出しを飾った。経済メディアは一斉に、「ハイテク投資の危険」を指摘した。
 孫正義会長兼社長が会見で、「これまで持っていたビジョンは微動だにしない」と語ったことも、強がりと見なされ、「私自身の投資判断がまずかった」と認めたことのほうが大きく報じられた。
 ところが、損得を超えて、世界各地での投資自体に疑義が上がっていることはほとんど知られていない。ソフトバンクの「ビジョン・ファンド」は、総額一千億ドル(約十兆八千億円)規模。この桁外れファンドが投資する企業が、各国・・・