「プリウス」の暴走防止対策 トヨタが補助金で儲ける「焼け太り」
2019年9月号公開
高齢者のペダル踏み間違い事故を受けて全国の自治体が創設している後付けの安全装置購入の補助金について、安全対策を怠ったトヨタ自動車が補助金で儲ける“マッチポンプ”との批判が広がっている。補助金の交付先事業者のうち、ディーラーはダイハツ工業を含めトヨタグループ系列のみ。「後付けの安全装置を市販しているのはトヨタとダイハツだけだから当然そうなる」(トヨタ関係者)。
しかし、自動車の安全性に詳しいシンクタンク研究員は「トヨタが後付けの安全装置を開発したのは、プリウスの暴走事故がきっかけ」と指摘する。また、相変わらずプリウスの不具合報告も多い。国土交通省の自動車のリコール・不具合情報に寄せられるクレームも「暴走」「急加速」などで一八年九月から一九年八月までの一年間で二十四件が寄せられている。中には「自動ブレーキが作動しなかった」という深刻な事例も。
前出の研究員は「トヨタが安全対策のツケを税金に回しているようなものだ」と憤りを隠さない。 (2019.11.25)