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経済

スズキ「インド一強時代」の終焉

中韓勢「猛追」で崩された牙城

2019年11月号

「インド四輪市場の低迷」。スズキは十月十日、業績の大幅下方修正の理由として、この言葉を挙げた。九月のインドの自動車国内販売台数は前年同月比二三・七%減で、この数カ月の落ち込みはリーマンショック時を超えるものだ。しかし、インドが自動車不況にあるとみるのは早計だ。韓国の現代グループはシェアを大幅に伸ばし、EV(電気自動車)で先行する中国勢も大挙して押し寄せる気配だ。「スズキ一強」から日中韓が入り乱れるカオス(混沌)の時代へ。幕が開いた。
 インドでは春以降、業界(完成車メーカー、部品メーカー、ディーラー)の雇用は少なくとも三十万人以上も失われている。特にディーラーは店舗の閉鎖ラッシュで深刻なリストラの嵐が吹き荒れる。自動車業界をめぐる不透明感のなかで、日系企業でも「インド進出を見送る部品メーカーも出ている」(コンサルタント)という。
 だが、市場以上にスズキ自体が減速していることも事実だ。インド子会社マルチ・スズキの市場シェアは四九・五七%と前年同月の五二・四六%から約三ポイント低下。販売の失速でスズキの一〇〇%子会社「スズキ・モーター・グジャラート」のグジャラート工場・・・