証券業界「顧客軽視」商売に荒療治
「米国型規制」の導入目指す金融庁
2019年11月号
十月に入って上向いてきた株式相場。日経平均株価は年初来高値を更新し、苦戦続きだった証券業界に活気が戻ってきたかに見える。だが、これも最後の宴になるかもしれない。というのも、証券業界には今、存続の危機とも言える重大局面が近づいているからだ。
今年八月下旬に金融庁が公表したのが、通称「金融行政の基本方針」と呼ばれるもの。文字通り、夏の人事異動後の新たな一年間における金融行政の基本的な方向性を盛り込んだ資料であり、今回は全百三十五ページにも及ぶ膨大な内容が盛り込まれている。そんななかで目を引いたのが、証券業界に触れた部分だった。分厚い基本方針にもかかわらず、わずか三ページにすぎなかったからだ。日頃、自身の業界の顧客軽視ぶりを憂えてきた某大手証券の幹部は「ついに金融庁は証券業界を見限った」と天を仰ぐほどの希薄さ、そっけなさであった。
金融庁内では「顧客本位」を唱えて「フィデューシャリー・デューティー(FD、受託者責任)」宣言をしているにもかかわらず、相変わらず、顧客軽視の手数料稼ぎビジネスから抜けきれない証券各社に対して「もはや、つける薬なし」とでもいうような突き放し・・・
今年八月下旬に金融庁が公表したのが、通称「金融行政の基本方針」と呼ばれるもの。文字通り、夏の人事異動後の新たな一年間における金融行政の基本的な方向性を盛り込んだ資料であり、今回は全百三十五ページにも及ぶ膨大な内容が盛り込まれている。そんななかで目を引いたのが、証券業界に触れた部分だった。分厚い基本方針にもかかわらず、わずか三ページにすぎなかったからだ。日頃、自身の業界の顧客軽視ぶりを憂えてきた某大手証券の幹部は「ついに金融庁は証券業界を見限った」と天を仰ぐほどの希薄さ、そっけなさであった。
金融庁内では「顧客本位」を唱えて「フィデューシャリー・デューティー(FD、受託者責任)」宣言をしているにもかかわらず、相変わらず、顧客軽視の手数料稼ぎビジネスから抜けきれない証券各社に対して「もはや、つける薬なし」とでもいうような突き放し・・・