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政治

共産党は「大化け」できるか

「野党連合」実現の鍵握る存在

2019年11月号

 誰が言ったか、日本共産党が冷蔵庫の脱臭剤「キムコ」に例えられた時代がある。それ自体は食べられない商品の名に、政権が失政や醜聞で腐敗臭を漂わせると威力を発揮する(議席を増やす)同党の姿を重ねたものだ。「政権交代の心配がないから、与党にお灸をすえる投票先として最適」と揶揄された老舗政党は今、安倍晋三政権の「一強」に挑む野党共闘の中で存在感を増している。党の内実の変化か、キムコのバージョンアップか。答えは、十六年ぶりとなる党綱領の改定に表れそうだ。
 第二百回臨時国会が召集された十月四日、共産党委員長の志位和夫は党議員団総会で「この四年間の共闘の成果を踏まえ、総選挙に向けて野党の政権構想をまとめようと呼びかけてきた。野党連合政権のモメンタムを作り出したい」と訴えた。「来年一月の党大会は歴史的な大会になる。党綱領の一部改定を、国際情勢論を中心に行い、野党連合政権に向けた政治方針を明らかする」とも語った。

天皇制を巡る矛盾

 共産党大会はほぼ三年に一度開かれる。次の第二十八回大会は二〇二〇年一月十四日から五・・・