広告を裏読みする 第10話
電通「変調」を象徴する官公庁広告
本誌編集部
2019年10月号
言わずと知れた広告業界のガリバー企業「電通」―。同社を揺るがした女性社員の過労自殺事件から三年以上が経過し、ほとぼりは冷めたようにみえる。しかし刑事処分にまで発展したこの事件の影響は、いまだに強く残っている。目に見えて残業が減るなど「働き方改革」の成果がある一方で、マイナス面もあるようだ。ある新聞広告を通して、同社が置かれた現状が浮き彫りになる。
八月二十四日、朝日新聞をはじめとする全国紙などと日本経済新聞に横並びで、とある全面広告が掲載された。
「二〇二〇年三月二十九日より新飛行経路の運用を開始し、羽田空港において国際線を増便します」
なんの色気もないこんな文言が大書された広告のクライアントは国土交通省。羽田新ルートについての図解や今後のスケジュールなどが盛り込まれ情報過多になってしまっていたが、最も伝えたかったのは八月三十日から始まる「飛行検査」の告知だ。十二月下旬までの期間、主に朝の時間帯に品川などの上空を飛行する新ルートで実際に飛行機の離着陸を行い、騒音などの調査を行う。
霞が関を追い出された出向者・・・
八月二十四日、朝日新聞をはじめとする全国紙などと日本経済新聞に横並びで、とある全面広告が掲載された。
「二〇二〇年三月二十九日より新飛行経路の運用を開始し、羽田空港において国際線を増便します」
なんの色気もないこんな文言が大書された広告のクライアントは国土交通省。羽田新ルートについての図解や今後のスケジュールなどが盛り込まれ情報過多になってしまっていたが、最も伝えたかったのは八月三十日から始まる「飛行検査」の告知だ。十二月下旬までの期間、主に朝の時間帯に品川などの上空を飛行する新ルートで実際に飛行機の離着陸を行い、騒音などの調査を行う。
霞が関を追い出された出向者・・・