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経済

《地方金融の研究》筑波銀行

公的資金投入でも不祥事「大連発」

2019年10月号


「経営者自ら襟を正す」。茨城県を地盤とする中堅地銀、筑波銀行(土浦市)がこう表明して役員報酬の一部返上に踏み切ったのは昨年一月のことだった。大宮支店(常陸大宮市)に在籍していた男性行員が二〇一六年十二月から一七年四月にかけ、顧客から預かった現金二百三十二万円余を着服、自身の借入金の弁済などに充てていた不祥事が発覚したためだ。ところが―それからわずか一年半ほどの間に新たに不祥事三連発である。
 まずは一発目。舞台となったのは大みか支店(日立市)だ。同じく男性行員が顧客から集金した毎月の積立金をこっそり懐に入れていたもので、延べ十一回にわたり計四百七十万円を借金の返済原資などとして流用していたという。この行員は一七年十一月末に自己都合で退職していたが、定期積金の店内検査をきっかけとする行内調査で昨年二月に発覚した(公表は同三月)。
 次の舞台は境支店(猿島郡境町)。パート女子行員が三人の顧客から預かった現金二百九十七万円を着服。その穴埋めに一七年十一月から一八年十一月にかけて五十五人分、計一億八千三百万円もの預金を流用していたことが明らかになったのだ。子供の・・・