金融庁が再編強要する「地銀リスト」
標的となる「三十行」はどこか
2019年10月号
ここ数年、金融業界のキーワードになり続けてきた「地銀再編」がこの秋、新たな局面に入ろうとしている。
「金融庁は、再編に及び腰な地銀に対して、事実上の最後通牒を突きつける」
同庁を取材する金融担当記者はこう指摘する。十月から金融庁は対象行に直接「申し入れ」を始めるといい、抵抗する地銀との攻防戦のゴングが鳴らされる。
八月二十八日、金融庁は新たな「金融行政方針」を公表した。同文書の地域金融機関の項目をみると、「取り巻く環境は、低金利環境の継続や人口減少、高齢化の進展等により年々厳しさを増している」という当たり前の記述に始まる状況分析には特段目新しい部分はない。しかし実際には、「もたつく地銀の対応に痺れを切らしており、この方針の背後には重大な決意が込められている」(前出記者)。鍵となるのがこの文書にちりばめられた「対話」という言葉である。
金融庁は昨秋から、地銀に対して職員を派遣し、幹部らからの聞き取り調査を実施してきた。これを「探究型対話」と称し、引き続き実施する方針を示しているのだが、「十月からは、他行との提携や合併を迫る、対話・・・