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経済

日立が白物家電部門「売却」の観測  中国ハイアールが買収に意欲

2019年8月号公開

 冷蔵庫、洗濯機など白物家電で世界トップの中国・海爾集団(ハイアール)が日立グループ・白物家電部門の日立グローバルライフソリューションズの買収を狙っているとの観測が浮上している。非コア部門の売却で体質強化を図る日立製作所にとって、売上高営業利益率がわずか四%といわれる白物部門は明らかな売却対象だ。
 他方、旧三洋電機の白物家電を買収したハイアールには、多彩な基盤技術を持つ日立の白物部門は魅力的だ。ハイアールは米GEの白物家電事業も一六年に買収したが、GEの技術はほぼ役に立たなかったと不満を抱く。それだけに、今も白物家電の進化を追求する日立は「非常にいい買い物になる」と中国側関係者は指摘する。
 さらに米中貿易摩擦が続けば、米国へ輸出している商品には追加関税を課されるリスクが付きまとう。日立の国内工場を手中に収めれば、対米輸出拠点にできるという計算も働く。「家電の日立」が事実上消え、来年には中国企業の傘下に入っている可能性が高い。 (2019.9.17公開)