アジアの「ミサイル軍拡」が急加速
米国の「配備要請」に揺れる同盟国
2019年9月号
八月二日に「中距離核戦力(INF)全廃条約」が失効した直後から、米国のドナルド・トランプ政権が、「アジア・ミサイル網」構想を唱え始めた。
同条約で禁止されていた、射程五百~五千五百キロメートルの地上発射弾道ミサイル・巡航ミサイルを、中国とロシアに対抗してアジア同盟諸国に配備させようというもので、中露は猛反発している。
アジアの武器市場は現在、世界で最も急速に拡大している。米国の新構想で、アジアのミサイル軍拡が不可避となる。しかも、米国が配備先と目論む日本やオーストラリアは、周辺国、特に中国への配慮から及び腰にならざるを得ない。「中国の軍事的優位を拡大させる」との懸念が強い。
最有力の日韓豪は極めて及び腰
就任早々から「この人は何者か?」との疑問が噴出したのは、マーク・エスパー国防長官だ。
前任ジム・マティス氏の辞任からほぼ七カ月。異常事態を何とか埋めた新長官は、「空挺部隊出身」とされるが、現役配属は十年ほど。その後、軍籍を保持しながら十年余り、議会やホワイトハウスのスタ・・・
同条約で禁止されていた、射程五百~五千五百キロメートルの地上発射弾道ミサイル・巡航ミサイルを、中国とロシアに対抗してアジア同盟諸国に配備させようというもので、中露は猛反発している。
アジアの武器市場は現在、世界で最も急速に拡大している。米国の新構想で、アジアのミサイル軍拡が不可避となる。しかも、米国が配備先と目論む日本やオーストラリアは、周辺国、特に中国への配慮から及び腰にならざるを得ない。「中国の軍事的優位を拡大させる」との懸念が強い。
最有力の日韓豪は極めて及び腰
就任早々から「この人は何者か?」との疑問が噴出したのは、マーク・エスパー国防長官だ。
前任ジム・マティス氏の辞任からほぼ七カ月。異常事態を何とか埋めた新長官は、「空挺部隊出身」とされるが、現役配属は十年ほど。その後、軍籍を保持しながら十年余り、議会やホワイトハウスのスタ・・・