アジア大都市の「水没」をどう止めるか
ヤンヤープ・ブリンクマン(水没防止対策専門家)
2019年9月号
―インドネシアが八月二十六日、ジャカルタからボルネオ島への、首都移転を発表しました。
ブリンクマン(以下JB) 私は過去十年以上、「ジャカルタ救出作戦」にかかわった。インドネシアでの沈下は年に十センチ、場所によっては二十センチに達する。十年で一~二メートル沈み、非常に危険である。
救出作戦前には、住民は実情を何も知らなかった。無策なままなら、ジャカルタは確実に消えるだろう。政府が治水に本腰を入れ、堤防建設を進めているので、まだ救える余地はある。
今の東京都民は忘れているかもしれないが、一九六〇年代~七〇年代には東京が、世界最速の水没都市だった。一部では一九〇〇~二〇一三年の累計で四メートル二十五センチ沈下した。これはジャカルタの二メートル、マニラの一・五メートルより高い数値だ。
東京が地下水採取を規制して十年ほどで地下水位の低下が止まり、その後は次第に上がっていった。東京の例を見れば、徹底した水の制御・管理がいかに重要か分かる。東京全体では今、地盤沈下はゼロになった。
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ブリンクマン(以下JB) 私は過去十年以上、「ジャカルタ救出作戦」にかかわった。インドネシアでの沈下は年に十センチ、場所によっては二十センチに達する。十年で一~二メートル沈み、非常に危険である。
救出作戦前には、住民は実情を何も知らなかった。無策なままなら、ジャカルタは確実に消えるだろう。政府が治水に本腰を入れ、堤防建設を進めているので、まだ救える余地はある。
今の東京都民は忘れているかもしれないが、一九六〇年代~七〇年代には東京が、世界最速の水没都市だった。一部では一九〇〇~二〇一三年の累計で四メートル二十五センチ沈下した。これはジャカルタの二メートル、マニラの一・五メートルより高い数値だ。
東京が地下水採取を規制して十年ほどで地下水位の低下が止まり、その後は次第に上がっていった。東京の例を見れば、徹底した水の制御・管理がいかに重要か分かる。東京全体では今、地盤沈下はゼロになった。
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