ジリ貧証券業界に高まる「再編機運」
中堅各社の「大同団結」が焦点
2019年9月号
証券不況の足音が高まってきている。このままでいけば、業界再編に火がつくのは確実だ。なかでも、準大手以下の対面証券各社は生き残りを懸けた正念場を迎えている。金融のシリアス・レースのフロントランナーは、銀行から証券会社へと移ろうとしている。
「前決算期から嫌なムードではあったけど、今年度第1四半期は予想を上回る厳しさだった」
ある銀行系証券の幹部は、今年度に入って以降の業績の不振ぶりに打つ手なしといった風情でこう語る。第1四半期決算は悲惨だった。前期に一千四億円という巨額の最終損失を垂れ流した野村ホールディングスこそ、その反動のように五百五十八億円という純利益を稼ぎ出したものの、中堅クラスまでの十九社中、十六社が大幅な最終減益を余儀なくされた。
なかでも、岡三証券グループ、東海東京フィナンシャル・ホールディングスという準大手二社と中堅クラスは厳しく、利益合計額はアベノミクスで株価が上昇に転ずる以前の証券不況当時のレベルまで落ち込んだ。まさに「振り出しに戻ってしまった」(中堅証券幹部)状況だ。
具体的に見ると、営業損益ベースで東海東京、三菱UF・・・
「前決算期から嫌なムードではあったけど、今年度第1四半期は予想を上回る厳しさだった」
ある銀行系証券の幹部は、今年度に入って以降の業績の不振ぶりに打つ手なしといった風情でこう語る。第1四半期決算は悲惨だった。前期に一千四億円という巨額の最終損失を垂れ流した野村ホールディングスこそ、その反動のように五百五十八億円という純利益を稼ぎ出したものの、中堅クラスまでの十九社中、十六社が大幅な最終減益を余儀なくされた。
なかでも、岡三証券グループ、東海東京フィナンシャル・ホールディングスという準大手二社と中堅クラスは厳しく、利益合計額はアベノミクスで株価が上昇に転ずる以前の証券不況当時のレベルまで落ち込んだ。まさに「振り出しに戻ってしまった」(中堅証券幹部)状況だ。
具体的に見ると、営業損益ベースで東海東京、三菱UF・・・