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政治

安倍が傾く「五輪後退陣」

四選回避の難題は「後継者不在」

2019年8月号

「力強い信任を頂いた」―。首相安倍晋三は参院選を終えた翌日二十二日午後の記者会見で自民、公明の与党側の勝利を宣言した。しかし、投票結果を精査すれば六年半にわたる安倍一強体制に対する「飽き」と「綻び」が随所に見えてきた選挙でもあった。その象徴が比例代表選挙の結果だ。自民党の全有権者に対する得票率は一七%に過ぎない。公明党は議席こそ改選前から三議席増になったが、得票数は三年前に比べ約百万票も減らした。かつて「比例一千万票」を目標に掲げた往年の勢いは失われた。支持母体の創価学会会員の高齢化と無縁ではないだろう。
 この結果、次期解散総選挙をめぐる政治状況はガラリと変わった。公明党は早くも早期解散説に強く反対する姿勢を明確にする。最高幹部の一人は断言した。
「年内解散は消えた。早くて東京五輪・パラリンピックが終わった来年の秋だ」
 そして参院選を経て、解散権を握る安倍自身の心境に変化が生まれた可能性がある。参院選前に安倍は自らの後継者について元首相の森喜朗に告げている。自民党政調会長の岸田文雄だ。その理由について安倍は、幹事長二階俊博と官房長官の菅義偉に言及しなが・・・

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