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中露「軍事協力」がアジアを壊す

アリ・ワイン (米ランド研究所研究員)

2019年8月号

 ―米中、米朝、日韓と東アジアが激しく動いています。

 ワイン(以下AW) 私は米中を「貿易戦争」と呼ぶのは、正確ではないと思う。過去の日米経済摩擦とも異なっている。米中間に起きているのは、世界経済をどちらが制するのかをめぐる、巨大技術と経済体制の争いだ。
 現在の中国はハイテク輸入で対米依存度が高く、本来なら守勢のはずだ。
 だが、ドナルド・トランプ大統領が、味方に引き入れるべき日本、インド、欧州連合(EU)に対してまで、貿易戦争を示唆するので、対中共同戦線が構築できない。米国だけの圧力で、中国が今の経済運営の手法を変えるわけがない。時間がたてばたつほど、中国は対米依存度を減らし、どんどん手ごわくなっていく。
 米朝関係では、トランプ氏が金正恩・朝鮮労働党委員長との個人的関係を過度に重視する傾向が高まった。最近では、「完全非核化」を求める国務省、国防総省さらに、日本など周辺国の利害とズレが生じている。
 これが第三の日韓問題の伏線だ。韓国の文在寅大統領は、北朝鮮との経済統合を進めたいので、・・・