広告を裏読みする 第8話
「意見広告」を巡る悲喜こもごも
本誌編集部
2019年8月号
八月六日「広島原爆の日」や、同十五日の「終戦記念日」には例年、反原爆や反戦、そして憲法九条を守ることを掲げた意見広告が新聞紙面を飾る。今年も、「第九条の会ヒロシマ」という団体が、八月六日付朝日新聞大阪本社版朝刊の全面広告と他エリアでの全五段広告を出そうと賛同金を集めている。
意見広告とは、個人や団体、企業などが政治問題や社会問題について、自らの意見や主張を表明するために出すもの。
六月二十八日の朝日朝刊五面に掲載された全面広告は新聞広告業界で話題を呼んだ。中央に傘を掲げた腕が描かれ、英語のキャッチコピーが大書されていた。「香港人は戦う、守るべきもののために。」という日本語訳も添えられ、これが香港の雨傘運動を支援する意見広告であることは一目瞭然だった。この日は、G20大阪サミットの開催日。中国の習近平国家主席も来日しており絶好のタイミングで掲載された広告だった。
この広告には裏話がある。広告主となった香港の市民団体は当初、読売新聞に掲載しようと直接申し込んできたが、同紙は断ったという。広告業界関係者が語る。
「海外の団体であるため素性が明確・・・
意見広告とは、個人や団体、企業などが政治問題や社会問題について、自らの意見や主張を表明するために出すもの。
六月二十八日の朝日朝刊五面に掲載された全面広告は新聞広告業界で話題を呼んだ。中央に傘を掲げた腕が描かれ、英語のキャッチコピーが大書されていた。「香港人は戦う、守るべきもののために。」という日本語訳も添えられ、これが香港の雨傘運動を支援する意見広告であることは一目瞭然だった。この日は、G20大阪サミットの開催日。中国の習近平国家主席も来日しており絶好のタイミングで掲載された広告だった。
この広告には裏話がある。広告主となった香港の市民団体は当初、読売新聞に掲載しようと直接申し込んできたが、同紙は断ったという。広告業界関係者が語る。
「海外の団体であるため素性が明確・・・