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経済

《地方金融の研究》北洋銀行

「拓銀亡き後」の北海道を背負う辛苦

2019年8月号

「資金を寝かせておくよりは自治体に貸した方がマシ」とでもいったところか。メガバンクや地銀大手の間で低採算の地方自治体向け融資を圧縮する動きが目立つ中、逆にそれを大きく膨らませている金融機関がある。札幌市に本店を置く北海道内最大の銀行で、第二地銀首位の北洋銀行―だ。
 二〇一九年三月期末の自治体向け融資残高は二兆六百二十七億円。前期末から七・二%伸びて初めて二兆円の大台を超え、貸出金残高全体(六兆五千七百七十二億円)に占める比率は五年連続増加して三一%超に達した。全国平均は約七%とされているから、実にその四倍以上ということになる。
 自治体向け融資は限りなくリスクフリーに近い代わりに、貸出金利回りも「悲しいほどに低い」(首都圏地銀幹部)。二兆円超の融資残高の「半分以上を占める」(関係者)とされる北洋銀の北海道庁向け貸出金利回りはおよそ〇・三%。全店ベースの利回り〇・九四%と比較すると三分の一にも満たない水準だ。
 だが、それでも敢えて自治体が実施する入札に参加し、融資に縋りつかざるを得ないところに北洋銀の置かれた収益環境の厳しさがある。コア業務純益は一四年三・・・