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経済

みずほとHISの「ユニゾ攻防戦」

敵対的TOBに窮する「軟弱銀行」

2019年8月号

「このままユニゾを見捨ててしまうようなことはしないつもりだ」。みずほフィナンシャルグループ(FG)幹部は言い切る。
 旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)がみずほ系不動産会社、ユニゾホールディングス(HD)に仕掛けたTOB(株式公開買い付け)。八月二十三日までの間、発行済みユニゾ株の四〇・二一%を上限に、ユニゾの過去六カ月間の平均株価に約五五%のプレミアムを乗せた一株三千百円、総額約四百二十七億円で買い付ける。TOBが成立すればHISは現在の保有株と合わせて四五%のユニゾ株を握ることになり、役員を送り込んだうえで、持ち分法適用会社化する方針だ。
「何の連絡もなく、一方的かつ突然行われた」。奇襲攻撃を食らう形となったユニゾの反発は強い。「現時点では情報が乏しく、HIS側の求めている業務提携の具体的内容やシナジーの有無が判断できない」として、TOBに対する意見表明はひとまず「留保」としたものの、敵対的TOBに発展する可能性が濃厚だ。
「HISは公開買付届出書の中でTOB後も『経営の独立性は確保される』などと記載している。しかしウチの過去の株主総会での議決権行・・・