不動産取引にも 「IT革命」の波
米国で勃興「ネット即売買」ビジネス
2019年8月号
「不動産Eコマースの夜明けがきた」
不動産物件検索サイト最大手ジローCEOのリッチ・バートン氏は、自社の新事業の未来を信じて疑わない。米国で「不動産テック」の本格的な時代が到来しつつあるのだ。これまでにも、不動産物件検索サイトのようなテック企業は存在した。また、民泊予約サイトの「エアビーアンドビー」やコワーキングスペース大手の「ウィワーク」などが成長していることは、周知の通り。
だが、新たな不動産テックは、既存の不動産業界の「周辺ビジネス」ではない。その中枢に入り込むディスラプター(破壊者)だ。最もIT化が遅れてきた二十六兆ドルの巨大産業が、不動産テックの新たな波で転換期を迎えている。
「とにかく早く売りたい層」に照準
これまで不動産を売る場合、地元の不動産屋に行くしか選択肢がなかった。新たなプレーヤーは「アイバイヤー(iBuyer)」と呼ばれる。インスタントバイヤーの略で、一言でいえば「アルゴリズムを用いた不動産物件即時買取業者」。
その買取プロセスはこうだ。売り手はア・・・
不動産物件検索サイト最大手ジローCEOのリッチ・バートン氏は、自社の新事業の未来を信じて疑わない。米国で「不動産テック」の本格的な時代が到来しつつあるのだ。これまでにも、不動産物件検索サイトのようなテック企業は存在した。また、民泊予約サイトの「エアビーアンドビー」やコワーキングスペース大手の「ウィワーク」などが成長していることは、周知の通り。
だが、新たな不動産テックは、既存の不動産業界の「周辺ビジネス」ではない。その中枢に入り込むディスラプター(破壊者)だ。最もIT化が遅れてきた二十六兆ドルの巨大産業が、不動産テックの新たな波で転換期を迎えている。
「とにかく早く売りたい層」に照準
これまで不動産を売る場合、地元の不動産屋に行くしか選択肢がなかった。新たなプレーヤーは「アイバイヤー(iBuyer)」と呼ばれる。インスタントバイヤーの略で、一言でいえば「アルゴリズムを用いた不動産物件即時買取業者」。
その買取プロセスはこうだ。売り手はア・・・