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ドイツで「極右犯罪」が急増中

「年間二万件」移民排撃の異常な日常

2019年7月号

 ドイツで極右の暴力事件が増えている。今年六月には、難民受け入れに前向きな発言をしていた保守派の地方政治家が射殺される事件が起こり、ドイツ警察は極右活動歴のある男を逮捕した。
 極右の暴力事件は年間二万件を超え、殺人事件も年に数件ずつ起きている。ナチズムを非合法としてきた国で、その後継者や模倣者たちが突如、大手を振って社会にのさばり始めている。
 六月の事件で逮捕された、四十代半ばのシュテファン・E容疑者(ドイツでは有罪確定前、姓はイニシャルのみ公表)は、「決して近寄ってはいけない」タイプの男だ。
 十代で起こした殺人未遂事件では、被害者は公衆トイレで彼の後ろに並んだだけで、いきなり刺された。
「同性愛者の気配がした。見るからに外国人だった」というのが犯行動機。小用を足しながら、片手で所持していたナイフを握り、振り向きざまに男性の腹部を刺した。被害者は緊急手術を重ねてようやく一命をとりとめた。
 収監中の一九九五年には、外国人の収監者に鉄製の椅子の脚で殴り掛かり、滅多打ちにした。
 この時も、「外国人」という以外に動機がなかっ・・・