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連載

西風458

蘇った世界一の戦闘機「紫電改」

2019年7月号

 兵庫県中央部に位置する加西市が太平洋戦争末期に海軍の切り札として登場した戦闘機「紫電改」の実物大模型を製作し、このほど一般に公開された。
 太平洋戦争中、加西市の鶉野飛行場では姫路海軍航空隊が操縦士の訓練を行っていたことで知られる。そしてなにより、川西航空機の鶉野工場では終戦までに四十六機の紫電改が製造され、ここから前線へと飛び立った。
 六月九日の午後から行われた初公開には、市側の予想を大きく上回る約二千人が訪れ、にぎわいを見せた。見学者は口々に「カッコええな」「強そうに見えるな」などと感想を漏らしていた。かつて紫電改の整備をしていたという老人も「昔のままの姿だ」と感慨に浸っていた。
 紫電改の実物大模型を造ろうと発案したのは加西市とともに飛行場の歴史保存に取り組む「鶉野平和祈念の碑苑保存会」だ。茨木県阿見町の予科練平和記念館に展示されている「零戦」の実物大模型を製作した看板広告・デザイン会社の広洋社(水戸市)に依頼。
 戦争初期には米、英の戦闘機を圧倒する威力を見せた零戦も、後半には米軍の新鋭機に劣勢を余儀なくされていた。そこで起死回生を狙・・・