Book Reviewing Globe 422
アジアの未来は「緩い多極構造」に
2019年7月号
二一〇〇年の時点で、二十一世紀を振り返って見て、アジアが世界秩序を主導する地域として登場した起点の年として記憶されるのは、二〇一七年であるだろう。
著者はこの「未来はアジアに」のビジョンを描いた本の中で、そのように大胆に予言する。
その年の五月、世界の人口の三分の二、そして世界のGDPの半分の国々の代表が北京で行われた最初のBRI(一帯一路)サミットに集合した。ここにおいて、史上最大の地球インフラ投資メガトレンドの始まりが象徴的に告げられたとするのである。
東アジアの五つの主要な輸出国・地域―中国、台湾、香港、日本、韓国―は年間、四兆二千億ドルを輸出している。これは、欧州連合(EU)と北米のそれを合計した規模とほぼ等しい。
かつて、世界秩序の土台であった大西洋関係はいまでは「居心地の悪いノスタルジア」となっている。地政学的な現実を見れば、大西洋関係は、バックミラーを覗きながら自動車を運転するかのようなものに見える。
現在、アジアから欧米へと技術が流れ出しつつある。欧米は長い間、アジアの国々の技術は要するに物真似に過ぎないと嘲っ・・・
著者はこの「未来はアジアに」のビジョンを描いた本の中で、そのように大胆に予言する。
その年の五月、世界の人口の三分の二、そして世界のGDPの半分の国々の代表が北京で行われた最初のBRI(一帯一路)サミットに集合した。ここにおいて、史上最大の地球インフラ投資メガトレンドの始まりが象徴的に告げられたとするのである。
東アジアの五つの主要な輸出国・地域―中国、台湾、香港、日本、韓国―は年間、四兆二千億ドルを輸出している。これは、欧州連合(EU)と北米のそれを合計した規模とほぼ等しい。
かつて、世界秩序の土台であった大西洋関係はいまでは「居心地の悪いノスタルジア」となっている。地政学的な現実を見れば、大西洋関係は、バックミラーを覗きながら自動車を運転するかのようなものに見える。
現在、アジアから欧米へと技術が流れ出しつつある。欧米は長い間、アジアの国々の技術は要するに物真似に過ぎないと嘲っ・・・