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政治

《罪深きはこの官僚》市川博規 (経済産業省製造産業局課長補佐)

陸上イージス 「費用暴騰」の大失態

2019年7月号

 実地調査を怠り誤った報告書を作成したり、秋田市内で開いた住民説明会の最中に職員が居眠りするなど、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を巡り、「オウンゴール」が続く防衛省。数々の失態で、もともと配備に反対だった地元住民の態度はさらに硬化した。配備自体の雲行きが怪しくなる中、関係者の間で「第二の『ロッキード事件』になるかもしれない」と囁かれているのが、搭載するレーダー選定だ。
 防衛省は昨年七月、日本のイージス・アショアに、米ロッキード・マーチン社のレーダー「LMSSR」を採用することを決定した。LMSSRは、二〇二〇年にアラスカに配備される次期警戒管制レーダー「LRDR」の派生型だが、構想段階で製造実績はない。
 一方、LMSSRの対抗馬として提案されていた米レイセオン社の「SPY-6」は既に米海軍が採用を決め、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦用に製造が始まっている。さまざまな試験も実施済みだ。専門家の間ではSPY-6が有力視されていたが、防衛省は「性能やコストに優れている」として、LMSSRの導入を決めた。
 しかし、決定後にミサイルの射・・・