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トランプ「環境規制緩和」政策が頓挫

裁判で政府敗訴「九割超」の滑稽

2019年7月号


 従来の環境保護規制を覆すドナルド・トランプ米大統領の政策が、米国内の各種訴訟で負け続けている。これまで判決が確定したものでは、連邦政府の敗訴は九〇%以上。いくら大統領令を出しても、裁判で無効とされる格好だ。
 米国に進出している日本の自動車業界などからは、「米政府の規制緩和に乗せられるな」との警戒感が強まっている。地球温暖化防止のための「パリ協定」からの離脱宣言など、大統領は言動こそ派手だが、一連の「環境規制緩和」は大ボラに終わりそうだ。
 今年六月四日、西海岸オレゴン州の最大都市ポートランドの官庁街は、十代から二十代前半の子供たち数百人の歓声で大騒ぎになった。この日、自らを「子供たち」と呼ぶ原告団が、連邦政府を訴えた裁判の、控訴審が開廷したのである。
 運動はバラク・オバマ政権時代の二〇一五年に始まったが、トランプ大統領が「子供が政府を訴えるのは不可能だ」と、裁判そのものの中止を求めたことで、全米の注目を集めた。昨年、最高裁が「子供たちの訴えは有効」と判断したため、控訴審での審理が始まった。
 本誌今年五月号で紹介した、スウェーデ・・・