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政治

安倍の秘かなる 「再々登板」戦略

四選より「三度目」に虎視眈眈

2019年7月号

言い間違いは往々にして、発話者の本心を表す。
「解散という言葉は、私の頭の片隅にはございません」
 安倍晋三首相は六月十九日、約一年ぶりの国会党首討論で、衆院解散について問われ、答えた。頭の真ん中は、いつ解散してやろうかという考えでいつもいっぱいだと漏らしたに等しい。
「頭の片隅にもないと言った方がいいかもしれません」
 と言い直したが、後の祭りだ。準備していたはずの答弁で「も」を「は」に言い間違えたのはなぜか。三年前、やはり参院選との同日選を断念した時、通常国会閉会の記者会見で
「衆院解散が頭の中をよぎったことは否定しない」
 と公言した。異例の発言だが、常在戦場の大権をちらつかせ求心力を高める効果があった。今回も似た意識があったはずだ。
 今回の同日選見送りで、解散時期の選択肢は大幅に狭まった。年内説もくすぶるが、消費税率上げ後は常識的には難しい。年明けもトランプ米大統領の再選次第で、景気後退の観測が大勢だ。狙い目は夏の東京五輪後だが、タイミングをつかめず二〇二一年九月の自民党総裁任期切れまで残り一年を切れば、政・・・