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政治

《罪深きはこの官僚》尾﨑久仁子( 外務省元参与)

二カ月で大使辞任の 「国辱的事情」

2019年6月号

 今年二月に「エストニア大使」に任命された外務省の尾﨑久仁子氏がわずか二カ月余りで辞職した。外務省は理由を明らかにしていないものの、外交筋によれば、背景には、人道犯罪や戦争犯罪を裁く常設の国際法廷である「国際刑事裁判所」(ICC)で起こした前代未聞のトラブルがあるという。
 尾﨑氏は一九七九年に外務省に入省。条約局法規課や法務省刑事局、在ウィーン国際機関日本政府代表部公使のほか、国連薬物犯罪事務所(UNODC)条約局長も歴任した「刑事法と人権・人道法のエキスパート」(外務省幹部)だ。
 日本人初のICC裁判官だった齋賀富美子氏が任期途中の二〇〇九年四月に死去したことと、ガイアナ共和国の裁判官が辞職したことを受け、二つの空席を巡って同年十一月に実施された補欠選挙で尾﨑氏がICC裁判官に選ばれた。
 ICCはオランダ・ハーグにあり、「国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪」を行った個人を国際法に基づき訴追・処罰するため発足した、史上初の常設国際刑事裁判所だ。設立条約であるICCローマ規程は一九九八年に採択され、二〇〇二年に発効した。一九年一月現在、加盟国は百・・・

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