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中国で「代理出産」需要が膨張中

東南アジアで漁る「レンタル子宮」

2019年6月号


 今春、インターネット上に百八十万人もの中国人女性の、奇妙な英語のリストがあることが見つかった。大半が若い女性で、名簿には妊娠の可否を記した項目があったことから、「売春サイトか」「人身売買サイトか」と様々な臆測を呼んだ。
 リストは話題になった直後に消えたが、中国の隠れた問題がやがて浮き彫りになった。深刻な人口減・高齢化に直面する中国では、代理出産への需要が急増し、中国内のみならず、周辺の東南アジア各国に、代理出産の闇市場が広がっているのだ。

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 今回のリストを発見したのは、オランダ人リサーチャーのビクトル・ゲーベルス氏。昨年、新疆ウイグル自治区における、中国当局によるウイグル族の強制収容問題が明るみに出た際、当局側と思われる「住民監視企業」の活動を暴いた実績がある。この企業はネット上で、二百五十万人もの自治区住民の動向を監視していた。
 同氏が注目したのは、女性リストの平均年齢が三十二歳だったことや、圧倒的多数が「未婚」としていたことだった。
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