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経済

暴走連発「プリウス」は無罪なのか

メディアが黙過するトヨタの「暗部」

2019年6月号

「ブレーキペダルを踏んでいたので、なぜ車が急発進したのかわからない」「アクセルが戻らなくなり、人を轢いた」
 前者は五月十五日に千葉県市原市の公園に突っ込んだ車を運転していた六十五歳男性、後者は四月の東京・池袋の暴走事故で加害者となった八十七歳の元官僚の供述である。こうした供述の一部は表に出るが、運転手による「踏み間違い」「操作ミス」が原因であることをほぼ断定的に伝える報道やテレビ番組ばかりが目立つ。
 この二件の事故を起こしたのはいずれもトヨタ自動車のプリウス。同車種はこれまでにも繰り返し暴走事故を起こしているが、そもそもこの車が危険なのではないか。これについて、既存メディアは「プリウスは販売台数が多いので事故を起こすケースも多く見えるだけ」としたり顔で説明する。
 しかし、平成の三十年間でプリウスよりも売れたトヨタのカローラや、ホンダのフィットによる暴走事故が多発したとは聞かない。もちろんこうした車種での事故も起きているだろうが、プリウスばかりが目立つのは偶然なのだろうか。
 折しも今年三月二十七日にはプリウス暴走事故についてのある判決が下さ・・・

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