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経済

《企業研究》リクルート

就活戦線「異状あり」でも荒稼ぎ

2019年5月号

「すでに終盤戦」(IT大手人事担当者)などともいわれている今年の就活(就職活動)戦線。学生側の「空前の売り手市場」とされるだけあって、経団連ルールで定めた六月一日の採用活動解禁を前にマスコミ紙誌やネットメディア上では、早々と「内定率すでに二〇%超」といった民間シンクタンクなどの調査情報が乱舞する。
 人材総合サービス最大手、リクルートホールディングス(HD、以下リクルート)がつくり上げてきたとされる就活システム「大量エントリー型就活モデル」が分水嶺に差し掛かろうとしている。若年層の人材不足が深刻化、バブル崩壊以降、長きにわたって続いた就職氷河期が終焉を迎えつつあるためだ。
 リクルートが運営する就職情報サイト「リクナビ」を使って学生が大量の企業にエントリーシートを送り、企業はその膨大な量のエントリーシートの選考に追われる……。学生側からすればそんなことをしなくても今や希望の業種などを絞り込み、行きたい会社に直接エントリーすれば済む。
 一方で「学生のエントリーをただ待つだけでは最早、必要な人材、まして有能な人材など集まらない」(・・・