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政治

《罪深きはこの官僚》山上信吾 (外務省経済局長)

WTO逆転敗訴「国辱」の咎人

2019年5月号

「外務省の法律、条約原理主義はもはや病的だ。あらゆる国や国際機関が、善良で法を遵守するという幼稚な考えをいつまでも改めようとしない」
 自民党の農林族ベテラン議員はこう吐き捨てる。四月十一日、世界貿易機関(WTO)の上級委員会は韓国による日本の水産物の禁輸措置について、韓国側に是正を求めた一審(小委員会)の決定を破棄した。この「逆転敗訴」を招いたのが外務省であることは論を俟たない。
 韓国が日本の水産物を全面輸入禁止にしたのは二〇一三年九月。日本によるWTOへの提訴が一五年五月。一審となる小委員会の決定は昨年二月。この間に担当者はめまぐるしく交代しており、通常、一人に責任を負わせることが難しい。責任の所在を曖昧にする官僚制度の典型例だが、この問題では現任の経済局長、山上信吾がA級戦犯だと政治部記者が断言する。
「昨年二月の一審勝訴で楽観してしまい、昨年七月に経済局長に就任した山上はこの間、なんら手を打たなかった」
 ある外務官僚によれば、韓国側は今回の判決を下したWTO上級委メンバーに対して水面下でロビー活動を執拗に行っていたという。
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