米「企業債務バブル」破裂の脅威
日本金融界に波及必至の重大事
2019年4月号
「期待以上に金利が上昇するような何らかのネガティブなショックが経済に発生した場合、企業倒産が多く発生し、信用が悪化し、債権は格下げされ、投資家は多くの損失を被ることになる」
連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン前議長は、巨大化したレバレッジドローン(投資適格未満の信用力が低い企業に対する融資)市場に繰り返し警鐘を鳴らしてきた。長期にわたって続いた世界的な金融緩和によって、米国を中心にレバレッジドローン市場、及びその派生商品であるローン担保証券(CLO)市場が急拡大するのに伴い、そのリスクも膨張する中、日本にも大きな影響が及びそうだ。日本の金融機関が、このCLOを買い漁り続けているからだ。金融庁は三月、今頃になってこのCLO購入に関する規制導入を発表したが、遅きに失したようだ。
「金融システムに対する予期せぬ脅威について十年前に痛い教訓を学んでおり、政策立案者はこれを見逃してはならない」
国際通貨基金(IMF)は昨年十月の国際金融安定報告書で、レバレッジドローン市場の問題点について、こう注意喚起している。ウォール街の「監視役」として知られる・・・