自民幹事長「独自憲法改正案」の中身
前文にまさかの「国土強靭化」
2019年4月号
老いてなお、飽くなき欲求はとどまることを知らないのか―。
「政高党低」の安倍政権の中で、唯一無二の存在感を放っているのが二階俊博・自民党幹事長だ。党の憲法改正推進本部とは別に、独自の改憲案を模索している。その中には二階氏のライフワークであり、利権の象徴でもある国土強靱化も明記されていた。公共事業を正当化するための理屈を、国民主権や象徴天皇制などと並べ置こうとするのは、もはや正気の沙汰ではない。あれだけ対立した小池百合子都知事を持ち上げてみたり、反自民のエース格だった細野豪志元環境相を自らの派閥に入れてみたりするなど、幹事長でありながら党内秩序を無視する豪腕ぶりは誰にも止められない。安倍晋三首相の党総裁任期延長を主導しただけでなく、いち早く再延長にまで言及。安倍首相もまんざらではない様子で、言いたい放題、やりたい放題の党内の二階一強体制はさらに続きそうだ。
象徴天皇制と同列の扱い
現行憲法前文の次に、次の憲法前文を追加する―。こんな一文から始まる文書が自民党内で出回っている。前文は憲法の精神を簡潔・・・
「政高党低」の安倍政権の中で、唯一無二の存在感を放っているのが二階俊博・自民党幹事長だ。党の憲法改正推進本部とは別に、独自の改憲案を模索している。その中には二階氏のライフワークであり、利権の象徴でもある国土強靱化も明記されていた。公共事業を正当化するための理屈を、国民主権や象徴天皇制などと並べ置こうとするのは、もはや正気の沙汰ではない。あれだけ対立した小池百合子都知事を持ち上げてみたり、反自民のエース格だった細野豪志元環境相を自らの派閥に入れてみたりするなど、幹事長でありながら党内秩序を無視する豪腕ぶりは誰にも止められない。安倍晋三首相の党総裁任期延長を主導しただけでなく、いち早く再延長にまで言及。安倍首相もまんざらではない様子で、言いたい放題、やりたい放題の党内の二階一強体制はさらに続きそうだ。
象徴天皇制と同列の扱い
現行憲法前文の次に、次の憲法前文を追加する―。こんな一文から始まる文書が自民党内で出回っている。前文は憲法の精神を簡潔・・・