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「一帯一路」で青ざめる習近平

親中諸国の離反と「債務帳消し」の悪夢

2019年4月号

 中国の習近平国家主席の金看板である巨大経済圏構想「一帯一路」が随所で綻びを見せ始めている。最大の支持者だった中央アジアのカザフスタンで大統領が辞任し、南米ベネズエラでは対中国のデフォルト(債務不履行)が取りざたされる。米欧主導で債務帳消しが断行されると、中国への債務に苦悶する国々が後追いするのは避けられない。頓挫の連鎖により、一帯一路は、その巧言令色とは裏腹に複雑骨折しかねない情勢だ。米中貿易戦争で苦境の習体制を揺るがす悪夢の足音が近づく。
 変調の予兆が表面化したカザフスタン。同国で大統領として二十九年間、政権を担ってきたナザルバエフ氏が三月半ばに突如として「大統領としての権限を停止する」と退任の意向を表明。来年春に予定する次期大統領選までの間、上院議長だったトカエフ氏が大統領代行を務めると発表した。
「次世代の指導者を育てるのが私のこれからの仕事」と語った彼の意中の後継者は、新しく上院議長に就任した長女ダリガ・ナザルバエフ氏とされる。だが、世襲には与党でも反対論が根強い。他の有力者を担ぐ動きもあり、この国の行方は予断を許さない。

中央アジアに離反の予兆・・・