《地方金融の研究》川崎信用金庫
超リスク運用で抱えた「爆弾」
2019年2月号
超金融緩和の長期化による運用難が続く中、行き場を失ったマネーが群がる市場がある。その一つが私募REIT(不動産投資信託)と呼ばれる投資商品だ。二〇一〇年十一月に野村不動産系の資産運用会社が一号ファンドを組成したのを皮切りに、三菱地所や三井不動産などの大手不動産グループを中心に新規参入が続出。一八年九月末の資産総額は二兆八千四百六十八億円に達した。日銀によるマイナス金利政策導入前の一五年十二月末時点では一兆四千六十二億円だったから、わずか三年足らずの間に二倍超にまで膨らんだことになる。
その私募REIT市場で「飛び切りの存在感を示し、かつ異彩を放っている」(機関投資家筋)とされるのが、川崎市に本店を置く〈かわしん〉こと、川崎信用金庫だ。
何しろ投資残高は一八年三月末で推計五百億円。企業年金などの資産管理を担うJTCホールディングス傘下の日本トラスティ・サービス信託銀行や、日本マスタートラスト信託銀行といった資産管理専門信託を除けば、約六百七十億円の残高を抱える農林中央金庫に次いで堂々の二位。地方銀行で残高トップの静岡銀行(約二百億円)の二・五倍に当たり、信金業界で・・・
その私募REIT市場で「飛び切りの存在感を示し、かつ異彩を放っている」(機関投資家筋)とされるのが、川崎市に本店を置く〈かわしん〉こと、川崎信用金庫だ。
何しろ投資残高は一八年三月末で推計五百億円。企業年金などの資産管理を担うJTCホールディングス傘下の日本トラスティ・サービス信託銀行や、日本マスタートラスト信託銀行といった資産管理専門信託を除けば、約六百七十億円の残高を抱える農林中央金庫に次いで堂々の二位。地方銀行で残高トップの静岡銀行(約二百億円)の二・五倍に当たり、信金業界で・・・