《クローズ・アップ》柿木真澄(丸紅次期社長)
商社上位三社との差は縮まるか
2019年2月号
丸紅の次期社長に柿木真澄副社長(六十一歳)が就任する。國分文也社長(六十六歳)は三期六年になるが、どん底から業績を上向かせ、今期は過去最高益の見通し。「もう一期」という声もあったが、「淡々とした國分さんらしい」(業界関係者)引き際となった。
柿木氏は社長レースの本命ではあったが、社外での知名度は低く、「柿木? Who?」というのが経済界の受け止め方。同じ電力部隊では、電力本部長として海外の売電事業を拡大させた宮田裕久常務が国内外で名前が知られており、昨年からCSO(最高戦略責任者)として経営企画を担当していることもあって、次期社長との呼び声が高かった。
「丸紅の最大の問題は電力事業しか話題にならないことだ」。丸紅の役員OBの一人はこう語る。丸紅といえばかつては紙・パルプが本流で、龍野富雄、鳥海巖、辻亨、勝俣宣夫という四代の社長を一九八七年から二〇〇八年まで連続で輩出してきた。だが、その間に投資の失敗で財務体質が悪化、経営危機を迎え、紙パ部門の支配の時代は終わった。
それ以降、丸紅の収益を支えたのは、社内では「端パイ」と言われてきた電力事業。フィリピン・・・
柿木氏は社長レースの本命ではあったが、社外での知名度は低く、「柿木? Who?」というのが経済界の受け止め方。同じ電力部隊では、電力本部長として海外の売電事業を拡大させた宮田裕久常務が国内外で名前が知られており、昨年からCSO(最高戦略責任者)として経営企画を担当していることもあって、次期社長との呼び声が高かった。
「丸紅の最大の問題は電力事業しか話題にならないことだ」。丸紅の役員OBの一人はこう語る。丸紅といえばかつては紙・パルプが本流で、龍野富雄、鳥海巖、辻亨、勝俣宣夫という四代の社長を一九八七年から二〇〇八年まで連続で輩出してきた。だが、その間に投資の失敗で財務体質が悪化、経営危機を迎え、紙パ部門の支配の時代は終わった。
それ以降、丸紅の収益を支えたのは、社内では「端パイ」と言われてきた電力事業。フィリピン・・・