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政治

《罪深きはこの官僚》定塚 由美子 (厚生労働省官房長)

統計不正の 「隠蔽」を主導

2019年2月号

 底なしの様相を見せている厚生労働省の勤労統計不正問題。二〇〇四年から延々と手抜き調査を続けてきた上、一四年には省内で認識されながら、事実を公表してこなかったことが明らかになった。
 歴代の調査担当者を筆頭として厚労省の「罪人」はOBも含めて大量にいる。しかし、今回の問題を混乱させた戦犯として真っ先に名前が挙がるのが官房長の定塚由美子だ。埼玉県出身の定塚は一九八四年に東京大学法学部を卒業し、同年旧労働省に入省した。これまでに職業家庭両立課長、福祉基盤課長などを歴任し、一四年五月に発足したばかりの内閣人事局審議官に就いた。
 そもそもこの人事が「女性活躍」を掲げる安倍官邸による「恣意的な抜擢」(厚労省幹部)だったという。その後は本省の社会・援護局長を経て昨年八月に官房長に就いた。医系技官を除けば、事務次官、厚生労働審議官に次ぐ省内ナンバー3にまで上り詰めたのだ。
 定塚は過去のどのポストにおいても、目立った成果を残していない。出世する要素といえば「ミスがないこと」(厚労省関係者)だという。こんな官僚はほかにもいそうだが、定塚はこれに加えて調整能力や根回しとい・・・