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社会・文化

ダ・ヴィンチ没後五百年で「仏伊の政争」

記念展「作品貸出」で大もめに

2019年2月号

 今年、没後五百年を迎えたレオナルド・ダ・ヴィンチをめぐって、イタリアとフランスの間に政争が起こっている。
 パリの「ルーブル美術館」は、大画家の作品を一堂に集めた大型企画を今年後半に計画し、イタリアからも作品を借りる予定だった。ところが、同国のポピュリスト(大衆迎合主義)連立政権が突然、貸し出しを拒否したのだ。
 これに対して、フランス側には、来年没後五百年を迎えるラファエロについて、イタリアでの回顧展に協力しないという可能性が浮上。西欧の文化大国同士の争いは、世界の美術界に悪影響大である。

文化行政でも「イタリア第一」
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 ルーブルは、ダ・ヴィンチ作品で最も有名な「モナ・リザ」を擁する。早くから「全作品展示」の野心を抱き、各国政府、美術館に働きかけていた。ダ・ヴィンチは寡作で知られ、「レオナルド作品」と確認されて展示されている絵画は世界でも二十点あまり。ルーブルには、モナ・リザ以外に「岩窟の聖母」「聖アンナと聖母子」「洗礼者ヨハネ」と計四作品があり、質量ともに世界をリードし・・・