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中国経済「沈没」の大波

「消費減退」の悪夢が日本企業を襲う

2019年2月号

 中国経済が、昨年四十周年を迎えた「改革開放」政策以降、最も激しい下降局面に入った。米中貿易戦争による輸出の落ち込みだけが原因ではない。中国の国民が中国共産党主導による高成長の方程式が終焉したことを実感し、「厳冬」に備え始めているからだ。沿海部を中心にした生産拠点の海外流出は日本が一九八〇年代半ば以降、経験した空洞化と同じであり、低成長時代への突入を示す。日本以上の累積財政赤字の中、インフラ投資の〝打ち出の小槌〟も消えた。中国の落ち込みは中国市場依存の高い日本企業に壊滅的な打撃を与える恐れがある。
 中国経済に関して足元で最大の衝撃は、昨年の自動車販売が二・八%減の二千八百八万台と前年比マイナスに転落したことだろう。日本の新聞は「二十八年ぶり」と書いているが、二十八年前とは八九年六月の天安門事件の翌年で、中国経済は国際制裁を受け、過去最悪と言われた年であり、昨年の自動車販売は事実上、史上初のマイナスなのである。
 それが年間三千万台を前にした足踏みでないことは年明けの動きでわかる。北京、上海ともに自動車販売は「ディーラーが一部の店舗の閉鎖を始めた」(中国の自動車業界・・・