法務省記者クラブで「協定破り」騒動 自らの首を絞める呆れた内情
2019年1月号公開
法務省の「法曹記者クラブ」でメディア同士の内紛が起きている。
事の発端は、読売新聞が十月十一日付朝刊一面で報じた、外国人労働者受け入れ拡大に関する政府案の全容だ。この問題は各社が特ダネ競争を演じているだけに、出し抜かれた他社はよほど悔しかったのか、幹事社の共同通信の中堅記者が主導し、読売を「協定破り」として出入り禁止にするよう求めたのだという。
というのも、法務省広報室は十日の時点で、政府案を事前説明すると告知していた。処分を求める記者らは、「この時点で政府案の正式発表まで報道できない『協定(縛り)』がかかった」と主張しているのだ。しかし、事前ブリーフィングがあったのは十一日午後のことだった。それ以前に知った内容を書くことも「協定破り」というなら、当局が「事前説明を行う」と告知さえすれば、関係記事はいくらでも止めることができるようになる。
こんな無茶な話を当局側が言い出すならまだしも、当のメディア側が求めたのだから開いた口がふさがらない。実は抗議に名を連ねた朝日新聞と日本経済新聞も正式発表前に内容を報じていたが、こちらはお咎め無しで、筋も通らない。
日頃は、やれ報道の自由だ、言論の自由だなどと言い募るメディアや記者。しかし実際には「役所との信頼関係」のほうが報道の自由より大事なようだ。
事の発端は、読売新聞が十月十一日付朝刊一面で報じた、外国人労働者受け入れ拡大に関する政府案の全容だ。この問題は各社が特ダネ競争を演じているだけに、出し抜かれた他社はよほど悔しかったのか、幹事社の共同通信の中堅記者が主導し、読売を「協定破り」として出入り禁止にするよう求めたのだという。
というのも、法務省広報室は十日の時点で、政府案を事前説明すると告知していた。処分を求める記者らは、「この時点で政府案の正式発表まで報道できない『協定(縛り)』がかかった」と主張しているのだ。しかし、事前ブリーフィングがあったのは十一日午後のことだった。それ以前に知った内容を書くことも「協定破り」というなら、当局が「事前説明を行う」と告知さえすれば、関係記事はいくらでも止めることができるようになる。
こんな無茶な話を当局側が言い出すならまだしも、当のメディア側が求めたのだから開いた口がふさがらない。実は抗議に名を連ねた朝日新聞と日本経済新聞も正式発表前に内容を報じていたが、こちらはお咎め無しで、筋も通らない。
日頃は、やれ報道の自由だ、言論の自由だなどと言い募るメディアや記者。しかし実際には「役所との信頼関係」のほうが報道の自由より大事なようだ。
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