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経済

経産省所管の独立行政法人で不正疑惑  天下りOB社長に高まる批判

2019年1月号公開

 経済産業省が、所管の独立行政法人「日本貿易保険」(NEXI)で発覚した不正疑惑に業を煮やしている。その背景に、同省OBの板東一彦NEXI社長の「脇の甘さと軽さ」(経産省筋)が見え隠れするからだ。
 板東氏の知人であるNEXI元顧問が、次期貿易保険システムの入札の際、落札したIT企業の「ラック」「日本科学技術研修所」の二社に事前に情報を漏らしていた疑惑が浮上。経産省は元顧問の身元を追及しているが、板東氏は調査中を理由に頑なに口を閉ざしているという。不祥事が入札妨害罪に発展すれば、社長辞任は必至だ。
 この元顧問は、政府系金融機関に実績があるラックを通じ、日本政策金融公庫専務を務めていた頃の板東氏と知り合ったとみられる。板東氏はその人物のために顧問職を新設して招いた。経産省幹部は「うまく籠絡された」と呆れる。板東氏をNEXIトップに就けたのは当時の事務次官、安達健祐氏の情実。その安達氏も天下り先の商工組合中央金庫で不正融資事件が発覚し、経産省は商工中金社長を民間人に奪われた。NEXIも前車の轍を踏むか。 
 


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