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経済

半導体製造で覇権を握る「台湾」

次世代技術が抱えた「供給リスク」

2019年1月号

「サムスンがインテルに代わり半導体の王者になる」
 つい一年程前までは、これが業界の通説だった。だが、米インテルも韓国サムスン電子も何もかも、まとめて蹴散らす企業が現れた。
 台湾積体電路製造(TSMC)。
 この名を知る日本人の多くは「単なる大きな半導体製造下請け」というイメージしか持っていないだろう。だがそれは、過去のものだ。すでに米アップル社製品のチップ生産は同社が独占供給している。今後は、スマホ用半導体最大手クアルコムや、人工知能などに使用されるグラフィックプロセッサー(GPU)で急成長する米エヌビディアも、先端プロセスのすべてがTSMCに置き換わっていくことになる。四、五年ほど先の販売が予定される自動運転車「アップル・カー」でも、同社の独占供給が決まっている。次世代技術の中核である「先端半導体プロセス」を世界でただ一社、TSMCのみが生産するという恐るべき事態が到来しつつあるのだ。

優良顧客が殺到する状況

 統計が事態を見えにくくしているようだ。米IC Insigh{b・・・