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経済

野村證券「絶対王者」の終焉

通期収益で二位も危うい醜態

2019年1月号

 証券業界の王者、野村ホールディングスの失速ぶりが甚だしい。業界からは「野村復調」の声がまったく聞こえず、このまま決算期末を迎えれば、野村は収益トップからの陥落どころか、二位のポジションまで危うくなりかねない情勢にある。「野村帝国」の瓦解の足音が着実に近づいているようだ。
「第2四半期は、イベントリスクなどがあり、やむを得なかった」
 野村證券の幹部たちが口をそろえてこう指摘するのは、米国司法省へ支払った和解費用やヘッジ取引から生じた損失という一時的損失の存在である。確かに合計五百億円規模の損失が二〇一八年十月発表の一九年三月期第2四半期決算の足を引っ張ったことは間違いない。だが、それにしても、同決算は不調すぎた。日本基準の経常利益に相当する野村の税引前利益は前期比九一%もの減少であり、同利益は百四十一億円弱。最終利益に至ってはマイナス六十億円。要するに、純損失である。
 おかげで、一八年度上期ベースでは万年二位に甘んじてきた大和証券グループ本社に大きく水を開けられただけでなく、銀行系証券各社の後塵も拝するという前代未聞の無様な決算となってしまった。さすが・・・