三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

《企業研究》読売巨人軍

ライバルが羨む金満球団の「内情」

2019年1月号

“金満”補強―プロ野球の今オフシーズン。ひときわ世上を賑わせたのが、読売巨人軍の超大型補強だろう。
 大リーグのパドレスでプレーしていたクリスチャン・ビヤヌエバ内野手を年俸二億二千五百万円で引き抜いたのを皮切りに、オリックスを自由契約となった中島宏之内野手と西武からFA宣言していた炭谷銀仁朗捕手をそれぞれ一億五千万円で獲得。マリナーズを「事実上クビ」(MLB関係者)になった岩隈久志投手とも一年契約五千万円で、二〇一八年十二月十九日に正式契約した。
 そして極めつきが二年連続セ・リーグMVPに輝いた丸佳浩外野手の獲得だ。ソフトバンクなどとの争奪戦の末、五年契約二十五億五千万円で広島から引っこ抜いたのだ。ビヤヌエバ、中島ら一部では契約金も発生しているとされ、今オフの補強費は総額五十億円にのぼるとも取り沙汰されている。
「まだ補強は終わっていない」。所属選手らの相次ぐ不祥事で引責辞任に追い込まれた老川祥一(読売新聞グループ本社最高顧問)に代わって一八年七月、第八代球団オーナーに就任した山口寿一(同社長)は、それでも周囲にこう嘯いているとい・・・