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文在寅もまた「弾劾」の運命

韓国与野党が「政権潰し」に虎視眈眈

2019年1月号

 気温が零下に下がった二〇一八年十二月十三日夕刻、ソウル中心部の光化門広場に緑色のジャンパーに身を包んだ男女三百人が集まった。手には「チョップル(ロウソクの火)革命完遂」と書かれたプラカードとロウソク。最近、選挙制度改革を巡って与党、共に民主党と対立を深めている野党、民主平和党の議員や支援者だった。両党は元々、同じ政党だったが、一六年の総選挙を巡る勢力争いなどが原因で分裂した。盧武鉉元大統領の後継者として〇七年、大統領選にも出馬した民主平和党の鄭東泳代表は「一年八カ月ぶりに広場にロウソクの火がともった」と語った。
 韓国政府が慰安婦財団の解散を発表した一八年十一月二十一日には、「ロウソク集会」の「火付け役」として集会を扇動した全国民主労働組合総連盟(民主労総)が、文在寅政権の経済政策が大企業寄りだとして全国規模のストライキに入ると宣言した。
 身内の反乱は、一七年五月の政権発足から一年半が過ぎて現れ始めた「金属疲労」が原因だった。
 韓国の次の総選挙は二〇年春に行われるため、今年春には、党の公認争いが始まる。伝統的に進歩(革新)勢力が強い南西部、全羅道を基・・・